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Greeting


実行委員長挨拶

撮影:伊藤彰紀

先行きの不透明ないまだからこそ、
アートにできる何かがある

パンデミックとなった新型コロナウイルス感染症により、2020年は世界各地の芸術文化活動が延期や休止を余儀なくされました。2009年から10回開催されてきた「六本木アートナイト」も例外ではありません。この間、美術、演劇、音楽、映画など多様な芸術文化業界は、感染防止対策をそれぞれの業態に合わせて講じながら、いかに芸術活動を絶やさず、表現者と観客をつなぎ続けられるのか、さまざまな方法を模索し、試行錯誤を続けてきました。
「六本木アートナイト実行委員会」でも、2020年5月に予定していた「六本木アートナイト2020」の取止めを受け、その後の対応について検討してきました。この状況において芸術活動を継続するため、そして、六本木の街に回復のエネルギーをもたらすため、いま何ができるのか。「先行きの不透明ないまだからこそ、アートにできる何かがある」。そう信じて考えた「六本木アートナイト」のチャレンジは、「六本木アートナイト・スピンオフ」としてのデジタル領域での展開です。

コロナ禍で飛躍的に拡大したデジタル領域におけるアートの表現。ウェビナーなどのオンライン・トークイベント、オンラインの映像展示、「六本木アートナイト・アーカイヴ」など、多様なコンテンツを会期中に展開。コロナ禍、あるいはコロナ以降のアートフェスティバルの存在意義、そしてこれからの「六本木アートナイト」の可能性についても、共に考えるプラットフォームになれば嬉しく思います。

「六本木アートナイト・スピンオフ」で試みるデジタル・プログラムは、未だ完全な終息時期の見えない新型コロナウイルス感染症に対し、「六本木アートナイト2021」開催時にも適用される可能性があり、そのための実証実験とも捉えています。また「六本木アートナイト」は六本木というリアルな「街」をベースとしてきましたが、コロナ終息以降にもデジタル領域という無限の新しい「場」を引き続き開拓し、リアルとデジタルのハイブリッドで展開していきたいと考えています。

六本木アートナイト実行委員⻑
片岡 真実(森美術館 館⻑)

ROPPONGI ART NIGHT SPIN-OFF PROJECT

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